訳の微妙な違いを云々するような英語の能力は有りませんので、それはさておき。この作品の旧訳で気になっていたのは、フェル博士とハドリー警視の関係。他の作品では、フェル博士に対して、丁寧語で話していたのが、旧訳だとため口になっている。原書のニアンスは分かりませんが、どうもそこに違和感があり、馴染めませんでした。新訳だと、他の作品同様になっていて、こちらの方が馴染みやすかったですね。どちらが正解かは分かりませんが、他に作品では、フェルのことを、「博士」「先生」と呼んでいるので、丁寧語でよいのではないでしょうか。「フェル」と呼び捨てのこともありますが、これはあちらの習慣(?)かな、とも思います。
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三つの棺〔新訳版〕 Kindle版
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ロンドンの町に静かに雪が降り積もる夜、グリモー教授のもとを、コートと帽子で身を包み、仮面をつけた長身の謎の男が訪れる。やがて二人が入った書斎から、銃声が響く。居合わせたフェル博士たちがドアを破ると、絨毯の上には胸を撃たれて瀕死の教授が倒れていた! しかも密室状態の部屋から謎の男の姿は完全に消え失せていたのだ!
- 言語日本語
- 出版社早川書房
- 発売日2014/7/9
- ファイルサイズ2.3 MB
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商品の説明
出版社からのコメント
1981年に17人のミステリ作家、評論家が選出した【オールタイム不可能犯罪ミステリ・ランキング】で、ヘイク・タルボット『魔の淵』、ガストン・ルルー『黄色い部屋の秘密』などをおさえて第1位に輝いたのが本書。選出にあたったのが、フレデリック・ダネイ、ハワード・ヘイクラフト、エドワード・D・ホック、リチャード・レビンソン&ウィリアム・リンク、フランシス・M・ネヴィンズJr.、ビル・プロンジーニ、ジュリアン・シモンズ、オットー・ペンズラーといった錚々たるメンバーなので、その品質保証には全幅の信頼がおけると言えよう(本書「訳者あとがき」参照)。
著者について
1906年、アメリカ、ペンシルヴェニア州生まれ。1930年に『夜歩く』を発表し、専業作家となる。1932年に結婚してイギリスに移住。以後、カーター・ディクスンなどのペンネームと本名のジョン・ディクスン・カー名義を併用して多くの長短篇作品を発表し、「ミステリ黄金期」の巨匠の一人に数えられる。本書をはじめとするカー名義の作品に登場するギデオン・フェル博士や、ディクスン名義での名探偵ヘンリー・メリヴェール(H・M)卿は、今日でも人気を誇っている。密室殺人や不可能犯罪ものを得意とし、また怪奇的な雰囲気を活かした作品や歴史ミステリも数多い。また、評論などでも活躍した。第二次世界大戦を機にアメリカに帰国。その後も渡英したが、1977年にアメリカ、サウスカロライナ州で死去。本書は著者の数多い密室・不可能犯罪もののなかでも最高峰に数えられる作品である。
登録情報
- ASIN : B00VFW2280
- 出版社 : 早川書房 (2014/7/9)
- 発売日 : 2014/7/9
- 言語 : 日本語
- ファイルサイズ : 2.3 MB
- Text-to-Speech(テキスト読み上げ機能) : 有効
- X-Ray : 有効
- Word Wise : 有効にされていません
- 本の長さ : 364ページ
- Amazon 売れ筋ランキング: - 147,863位Kindleストア (Kindleストアの売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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カスタマーレビュー
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85グローバルレーティング
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上位レビュー、対象国: 日本
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- 2023年9月9日に日本でレビュー済みAmazonで購入1930年代のロンドン、雪の夜。原始魔法の愛好研究者、裕福なシャルル・グリモー教授が、雪に、窓に、暖炉にも足跡も残さぬ犯人に撃たれて死ぬ──というフェル博士の長編。
中盤フェル博士突然が長々と「我々は推理署の中の人物だからだ」と珍奇な解説を始める珍事はさておき、「墓から蘇り、墓に帰る男」を主題とした雰囲気満点の面白い作品である。
しかし終盤の謎解きになると、たしかに説明は通っているのだが、あまりの秒刻みの構成にどうしても別種の名作、「火刑法廷」を思い出してしまう。
あり得ぬ状況を創り、最後にあらゆる合理的な解説で解き明かす──のに反抗したのか、「合理的な解説が結末ではない小説は如何かな?」と出された「火刑法廷」の無気味さこそ、当方にとっては好みである。
- 2024年9月18日に日本でレビュー済みミステリは好きですが、カーはこれが初めてです。
実は40年くらい前にカー作品(題名忘れた)の文庫を買ってみたものの、国産ミステリに比べると翻訳のせいか異様に読みにくく、途中で読むのを止めてしまいました。
「新訳」ということで、今風に読みやすくなっているかな?と期待してこちらを手に取ったものです。
さして困難なく一両日で読み終わり、それなりに面白かったのですが、小説としての味わいがないというか、説明文を読んでいるような感じなんですね…。
灰色の雲が垂れ込める冬のロンドン、棺桶から抜け出る人間、黒いコートに仮面の男、3つの墓標が描かれた謎の絵、透明人間としか考えられない犯人…などなど、これだけ道具立てが揃っているのに、読んでいても何のスリルも恐怖も感じません。
「物語の世界」に引き込まれ、翻弄される楽しみがないのです。
だから不可能と思われる殺人事件の謎が解明されるくだりも「あ~なるほど、そうだったんですね」で終わってしまいました。
思わず江戸川乱歩に翻案してほしいと思ってしまいました(彼なら同じストーリーやトリックでも遥かに面白く書けるはず)。
これって訳文のせいなのか、元々カーがこういう作風なのか、どっちなんですかね?
トリックに関しては、大枠は面白いが細部がゴチャゴチャ&無理がある印象でした。
前半で事件現場の図を入れるのは良くても、謎の説明に図を要する(図ナシでは分かりにくい?)トリックはあまり好きではないですね。
- 2024年4月8日に日本でレビュー済みAmazonで購入カーの代表作のみならず密室トリックの名作として、必ず名のあがる本作。確かにこのトリックはすばらしいと思うし、有名な「密室講義」も非常に楽しい。「現実味がない」ことを理由にミステリを否定する層に対しての挑戦状のようでもある。「黄色い部屋…」など、他作品のトリックのポイントを明かしてしまうので要注意ではあるが…。
ただ訳者があとがきで翻訳の難しさに触れているように、実際のところ文章がかなり読みにくい。登場人物のキャラも全体的にエキセントリックで、感情移入しにくいところもある。欠点はいろいろあるが、トリックのあざやかさで帳消しというところ。本作を読まずして密室トリックは語れないだろう。
- 2015年6月8日に日本でレビュー済みAmazonで購入自分はそれほど推理小説にリアリティーは求めない方で、知的遊戯として楽しめれば良い
のだけど、この作品の終盤(謎の解き明かし)は現実感がなさ過ぎてちょっと疲れた。
主役のフェル博士の言うとおり全体的にねじれてしまっていて、終盤にそのねじれを一気
に解明するものだから、こっちまで何かおかしくなる。凝り性のカーならではのコクかな?
作中で、フェル博士に「我々は小説の中に居る・・・」と言わせたり、脇役の曲芸師に奇術の
タネ明かしをさせたりしており、作者は「これは推理小説という舞台でのマジックなのだ」と
宣言しているのだろう。
マジックというより、凝り過ぎて変になったパズルのような気がする。作り込み感が強すぎ
るのだ。しかし、そこはさすがにカーで、登場人物の性格や背景に意を用いて、不気味な
ドラマを構成している。1935年が初出だから、トランシルヴァニアの吸血鬼伝説みたいな
味付けは当時としてはけっこう「来て」いたのではないか。
敵役が突然現れて「三つの棺。オレが来ようか、弟を行かせようか?」と謎かけみたいな
脅しから幕が開くこのお芝居は、疲れるけど妙味のある作品だと思う。
厳密に言うと、不可能犯罪物としては少々破綻しているのだが、カー独自の奇術なので
嵌められてそれを楽しめばいい。
- 2014年7月14日に日本でレビュー済みAmazonで購入誤訳・悪文と非難轟々の旧訳版であったから、もはや遅きに失した感もあるが、待望の新訳版リリース。カー・ファンにとっては今年一番の僥倖であろう。
加賀山氏の翻訳は、カーの『火刑法廷』を含め幾つか読んだが、非常にスタンダードな現代文で、読みやすい訳文といっていい。もちろん、旧訳で問題だった誤訳部分も適切に修正されている。
とはいえ、それでこの小説のすこぶる錯綜したプロットが整理整頓されるわけもなく、本質的な読みにくさは変わらない。カーを読むのは体力勝負、との覚悟が必要だ。
本書のトリック等の内容については旧訳版の方に(ネタばれを含み)多数のレビューがあるので、あえて触れない。
ここでは第17章の「密室講義」について蛇足を少々・・・。
この「密室講義」の冒頭で、カーは「われわれは探偵小説の中にいる・・・」云々と、フェル博士に大上段からメタ的発言をさせているが、これに飛びついてこれをメタ・ミステリの走りだなどと評するのはもちろん失当である。
ここでの密室トリック分類自体は、分類基準がやや錯綜していて論理的な分析とは言いがたいが、メタ発言により小説の枠組をぶち壊してまで言いたかったことは何なのか、そこは注意しておく必要がある。ミステリ作家としてのカーの本音が垣間見えるはずだからである。
カーは1922年(15歳の時)、地方紙に「リアリズム作家を語る」というコラムを載せているが、その中で、世にはびこる「愚にもつかないリアリズム小説」をこきおろし、「トラック一台分のフィッツジェラルドの本よりも、ほんとうに上質の探偵小説を書き上げるほうが作家としての才能をはるかに要する」と、大胆に探偵小説を擁護している。
フィッツジェラルドの小説をリアリズムと呼べるかはともかく、カーが15歳の若さですでに危惧していたとおり、『三つの棺』が書かれた時代(1935)は、フィッツジェラルドやヘミングウェイの文学が探偵小説に伝染し、ハメットを経由してチャンドラーに至る過程にあった。
カーはのちにチャンドラーのハード・ボイルド小説を、低俗なリアリズムとしてケチョンケチョンに罵倒しているが、カーの「反リアリズム」はこれほど年季が入っており、相当根が深い。
「密室講義」の導入部で、フェル博士に「われわれは、ありそうにないことが好きだからこそ、探偵小説に愛着を抱く」のだと明言させたのは、もちろん、自己の密室モノをはじめとする不可能犯罪への嗜好を擁護するのが主な目的だが、その根本には、自分の書く小説が近代リアリズムの対極にある物語、すなわちファンタジー(あるいはロマンス)の一種であるという強い確信がある。
で、あとはグダグダ言わず「それでいいのだ!」と開き直って揺るがない。このドン・キホーテばりのカーの雄姿が、案外、時代を超えて「探偵小説を愛するわれわれ」の拠り所になっていたりするのだ。
- 2016年1月6日に日本でレビュー済みAmazonで購入結末にかなりびっくりした。悪い意味で。「壊れた蝶番」「赤後家の殺人」なんかは好きです。そして密室談義で、ガストンルルー「黄色い部屋の秘密」のネタバレされたのが…次に読む予定だったので、泣けた。
- 2024年4月4日に日本でレビュー済みこの作者の作品は初めて読みました。数十年前のものだか不朽の名作という事で楽しみでしたが、とにかく誰のセリフを読んでも理解し難く、意味も何もかも頭に入って来ず、途中で読むのを断念しました。訳者が悪い、同作家の作品で他の出版社が出したものは良かった、というレビューもあるが、実際どうなのでしょう。