『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』のタイトルって何これ?

アンドロイドは電気羊の夢を見るか?という不思議なタイトルの小説を読んでみる事にしたのは、先日友人から「映画のトゥルーマン・ショーに似た作品ってない?」って聞かれた時に、設定の面白い作品で検索したら出てきたのが『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』だったのです。

そしてちょうどAmazonで早川書房の電子書籍がセールをやっていて、『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』が安かったので即買いしたのですが、読んでみるとあら不思議。そのSF小説の設定の奇妙さに引き込まれていきました。

最終世界大戦後の世界。地球には核降下物が降り注いでおり、動物はそのほとんどが絶滅の道をたどっていきます。

まぁ、ここまで聞くと「よくある世界崩壊系のSFね!」と思うわけですが、実はこれがなんとも言えぬ哲学的な作品でして、今回はその『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』をレビューしていきたいと思います。

あ、映画の話なのに、なんで小説の作品検索してるの!?と思われたかもしれませんが、この作品はかの有名な映画『ブレードランナー』の原作なのですよ。はい。

ということで、悪い癖が出始める前に早々とレビューの方に入っていく事にしましょう…。

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小説『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』 – フィリップ・K・ディック・あらすじ

アンドロイドは電気羊の夢を見るか?
4.2

著者:フィリップ・K・ディック
翻訳:浅倉久志
出版:早川書房
ページ数:319

最終世界大戦後、世界からほとんどの生きた動物が滅んでおり、昆虫一匹でも高値で取引されるのだった。主人公のリック・デッカードは最近その貴重な“生きた羊”を死なせてしまう。その代わりに本物そっくりの電気羊を飼ってはみたが、隣人の生きた馬を見るとどうしても“生きた動物”を飼いたいと切に思うのだった。そんな折、リックの元へ大金が手に入る仕事の依頼が飛び込んでくる。それは犯罪を犯し地球に逃亡してきた人造人間アンドロイドを処理する事。賞金稼ぎのリックはこれはチャンスと仕事に乗り気だったのだが、人間そっくりの人造人間を処理するうちに、人間と人造人間の違いは何なのかと、自分の仕事に疑問を持ち始める…。

読書エフスキー3世 -アンドロイドは電気羊の夢を見るか?篇-

前回までの読書エフスキーは

あらすじ
書生は困っていた。「ミッキーに中の人なんていません!」と仕事中に寝言を言ったせいで、独り、無料読書案内所の管理を任されてしまったのだ。すべての本を読むには彼の人生はあまりに短すぎた。『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』のおすすめや解説をお願いされ、あたふたする書生。そんな彼の元に22世紀からやってきたという文豪型レビューロボ・読書エフスキー3世が現れたのだが…

アンドロイドは電気羊の夢を見るか? -内容紹介-

無料読書案内の書生
大変です!先生!フィリップ・K・ディックの『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』の事を聞かれてしまいました!『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』とは一言で表すとどのような本なのでしょうか?
読書エフスキー3世
“SF哲学小説”デスナ。
無料読書案内の書生
…哲学?正直な所『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』は面白い本なのでしょうか?

 ベッドわきの情調ムードオルガンから、アラームが送ってきた陽気な弱いサージ電流で、リック・デッカードは目をさました。びくっとして起きなおり――急に目がさめると、いつもびくっとなる――マルチカラーのパジャマ姿でベッドから出て、大きく伸びをした。かたわらのベッドでは、妻のイーランが陽気な灰色の目をひらき、まばたきし、うめきをもらして、また目をつむってしまった。

引用:『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』フィリップ・K・ディック著, 浅倉久志翻訳(早川書房)

読書エフスキー3世
コンナ一文カラ始マル“フィリップ・K・ディック”ノ1968年の作品デス。読メバワカリマス。
無料読書案内の書生
うーむ。冒頭から情調オルガンとか、わからない名詞が出てきますね。読みやすいようにちょっとだけでも解説してもらえると助かるんですけど…。
読書エフスキー3世
読む前にレビューを読むと変な先入観が生マレテシマイマスノデ…
無料読書案内の書生
ええい、これでは埒が明かない!先生、失礼!(ポチッと)
読書エフスキー3世
ゴゴゴゴゴ…悪霊モードニ切リ替ワリマス!
無料読書案内の書生
うぉおおお!先生の読書記録が頭に入ってくるぅぅー!!

アンドロイドは電気羊の夢を見るか? -解説-

読書エフスキー
今回はフィリップ・K・ディックの『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』です。
書生
インパクトの強いタイトルではあるんですけど、ぶっちゃけ何を言っているのか全くわからないタイトルですよね。
読書エフスキー3世
それがね、読み終わるとスッキリと意味がわかるんですよ。
書生
へー。どういう内容なんですか?
読書エフスキー3世
あらすじを説明するのは簡単なんですけど、設定が独特なので何から解説していけば良いのか…。前提としてまずはアンドロイドという言葉について語りましょうか。
書生
アンドロイドって、僕らが普通に思い浮かべるアンドロイドで良いんですか?
読書エフスキー3世
一般に共有している『アンドロイド』という単語のイメージがどういうものかはわかりませんが、Googleのスマートフォンのシステムのことではないです。
書生
いやはや、なんというか、ロボットって言えば良いんですかね。ロボットの中でもとりわけ人の形をしたものをアンドロイドって呼んでいるイメージなんですけど。例えばシャープのロボホンとか。
読書エフスキー3世
最近、病院の受付とかでもこういう人の形を模したAI搭載のロボットが増えましたね。
書生
ええ。アンドロイドって聞くと僕のイメージだとそういう感じなんですけど。
読書エフスキー3世
まぁ、ロボホンって名前からして、ロボじゃないですか。それよりもここで扱われているアンドロイドは、もっと人間にそっくりな感じのものなんですよ。
書生
えーっと、それじゃあ鉄腕アトムみたいな?
読書エフスキー3世
そうですねぇ。うーん。鉄腕アトムも空を飛んだりするでしょ?もっと、もーっと人間に寄せたものです。
書生
人間に寄せたもの…。美空ひばりとか渋沢栄一のアンドロイドが最近話題になりましたよね。あーゆー感じですか?
読書エフスキー3世
あー、イメージとしてはそういう所かもしれませんね。それをもっともっと極めていって人間としか思えないぐらいのレベルまでいった感じです。
書生
なるほど。そのアンドロイドが電気羊の夢を見るかどうかの話なんですか?ロボは夢なんて見ないでしょう。…全然話が見えてこないんですけど。
読書エフスキー3世
そもそもこの作品のテーマは『人間とは何なのか?』なんですよ。
書生
ん?アンドロイドを主題にしているのに、人間とは何なのかですか。「人間は考える葦である」のパスカル的な?
読書エフスキー3世
まぁ、近からず遠からずですね。非常に哲学的で考えさせられる内容のSFでしてね。もしアンドロイドが普通の人間の目から見ても見分けがつかないぐらい人間に似ていたら、アンドロイドと人間を区別するものは何なのか?っていう。
書生
あー!なるほど!
読書エフスキー3世
あ、この小説、映画『ブレードランナー』の原作として有名なんですけど、観たことありますか?
書生
ハリソン・フォード主演のやつですよね。確かサイバーパンクの代表作的な。今のゲームとか観るとだいたいサイバーパンクと謳われているものって、ブレードランナーに出てきた街並みみたいなのですよね。
読書エフスキー3世
日本語が多く登場している映画としても有名ですね。私が小さい時によく飲んでいた整腸剤「わかもと」って言葉がなぜか頻繁に出てきたりね。
書生
わかもと製薬には無許可で使ってたらしいですよw結果的に知名度が上がって良かったみたいですけど。
読書エフスキー3世
あ、それでですね、ブレードランナーの中ではアンドロイドという言葉ではなく、レプリカントという言葉に置き換わっているんですよ。
書生
それは一体なぜ?
読書エフスキー3世
アンドロイドと聞くと人はロボットを想像してしまうからなんだそうです。
書生
確かに、僕もアンドロイドと聞くとどうしてもロボットという先入観が抜けませんね。
読書エフスキー3世
だから細胞複製という意味のReplication からレプリカントという造語を作ったんですね。
書生
へー。なるほど。レプリカントって、ニーアっていう好きなゲームにも使われているんですよ。近々『NieR Replicant ver.1.22474487139…』っていう新作が出るみたいです。
読書エフスキー3世
今では人造人間を表す言葉として辞書にも乗っているぐらいですからね。そのロボットともちょっと違う、人間によく似たアンドロイドが当たり前にいる世界が舞台です。
書生
ほほう。
読書エフスキー3世
人間たちは最終世界大戦を行い、その多くが火星に移住しました。なぜなら地球は核降下物で荒廃してしまったからです。
書生
もし第三次世界大戦が起きたなら、核戦争になるでしょうから、本当にそうなりそうな気もしますね。
読書エフスキー3世
その火星に移り住む時に、奴隷としてアンドロイドを連れて行くんですね。火星は地球より住みやすいわけではないので、人間が出来ない作業などをアンドロイドに行わせたわけです。
書生
奴隷として…。
読書エフスキー3世
しかし、アンドロイドは人間とほぼ同じですから、奴隷として働く事を嫌がるものも出てきました。そのアンドロイドたちは主人を殺し、地球に逃亡するのです。
書生
ひえぇ。
読書エフスキー3世
そして地球で人間と偽りながら暮らしている。そんな逃亡者を見つけ出して処分する賞金稼ぎとして働いているのが、今回の主人公のリック・デッカードです。地球に住んでいます。
書生
主人公は賞金稼ぎで、地球で暮らしている。ふむふむ。
読書エフスキー3世
まぁ、賞金稼ぎと言っても、警察に雇われている形でして、警察から仕事を依頼されて動くんですよね。そして地区ごとに凄腕の賞金稼ぎがいまして、末端の賞金稼ぎであるリック・デッカードにはほとんど大きな仕事が回ってこない。
書生
そうなると生活費とかなんとか上手く工面しながら生きていかないといけませんね。
読書エフスキー3世
ええ。リックは奥さんと暮らしているんですが、その奥さんが結構せっせと衝動買いをする人でして、ちょっとした不満を抱えているんですね。
書生
あー。
読書エフスキー3世
これも一つの重要な設定なんですが、最終世界大戦後、ほとんどの生き物が絶滅危惧種になってしまいまして、生きている動物や虫が非常に貴重なんですね。
書生
あー、最初のあらすじ紹介にも書いてありましたね。生きた動物が高価に取引されているんですよね。
読書エフスキー3世
そうですそうです。法で守られているくらいでしてね。そんな貴重な生きた動物をリックは飼っていたわけですよ。生きた羊を。
書生
お。タイトルである羊が出てきましたね。
読書エフスキー3世
しかし、リックはその生きた羊を破傷風で失ってしまいます。干し草の梱包に使っていた針金にひっかかって。
書生
な、なんと。針金ひとつで貴重な羊が死んでしまうなんて、相当ショックだったでしょうね。
読書エフスキー3世
獣医に連れて行きましたが、無駄でした。そして色々と考えた上でその羊にそっくりの模造動物を飼うことにしたのです。
書生
模造動物って、そのいわゆる電気羊ってやつですよね。それってどうなんですか?可愛がっていたペットの偽物でしょ?僕だったら悲しくて飼えない気がするんですけど。
読書エフスキー3世
それがですね、この世界ではこんな風に書かれているんです。リックが生きた馬を飼っている隣人に自分の飼っている羊は電気羊だと告白した後のシーンの引用です。

「あー、いまのことは、このビルのだれにもしゃべらないよ」
 立ちどまって、リックは礼をいおうとした。だが、そこで、イーランのいう絶望に肩をたたかれた感じにおそわれ、こういってしまった。
「どうだっていいさ。どっちでも変わりはしないだろう」
「しかし、連中はきみを見くだすぜ。みんながみんなとはいわんがね。動物を飼わない人間がどう思われるかは知っているだろう? 不道徳で同情心がないと思われるんだよ。つまりだね、法律的には最終戦争直後のように犯罪と認められないが、そういう感情はまだ残っている」

引用:『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』フィリップ・K・ディック著, 浅倉久志翻訳(早川書房)

書生
不道徳で同情心がない…。ペットを飼っていないだけでそんな風に思いますかね?そんな風に思う人こそ、不道徳で同情心がないと思うんですけど。
読書エフスキー3世
えー、これがこの小説で面白い設定でして、人間が全く人間っぽく描かれていないんですよ。むしろ人間の方がロボットっぽいっていうか。
書生
へー。あ、冒頭に「ベッドわきの情調ムードオルガン」って出てきましたが、あーゆーのもそういう事ですか?
読書エフスキー3世
そうです。この時代の人間は“情調ムードオルガン”なるもので、感情を自由にコントロール出来るんですよ。チャンネルをカチっとするだけで切り替わる。
書生
それこそ僕のイメージするアンドロイドっぽいですね。
読書エフスキー3世
今朝も奥さんと口論になって嫌な気分になっていましたが、“自己の職業への創造的かつ新鮮な態度”へダイヤルして人工脳刺激によって、爽快な気分で家を出たわけですね。
書生
自己の職業への創造的かつ新鮮な態度…。なんとも細かい設定が出来るものなんですね。
読書エフスキー3世
まぁ、そんなこんなで奥さんとの口論、隣人との会話などなどを通して、リックはなおさら生きた羊が飼いたい!という願望が強まっていたわけです。
書生
ふむふむ。
読書エフスキー3世
そんな中に大金が手に入るチャンスが舞い込んでくると。
書生
ほほう。そうしてストーリーが前に進むわけだ。
読書エフスキー3世
リックの住む地域には凄腕の賞金稼ぎがいるのですが、なんとその賞金稼ぎが不意をつかれてやられてしまいました。
書生
相手はアンドロイドですよね?
読書エフスキー3世
ええ。これまた厄介な設定があるんですが、アンドロイドはあまりにも精巧に作られていて、今では人間とアンドロイドを判別する方法自体が危ういらしんですよ。パッと見ではアンドロイドと判断出来ない。その判別のためにフォークトカンプフ感情移入度検査法というのが使われます。
書生
フォークと…な、なんて言いました?
読書エフスキー3世
いや、まぁ、この名前は覚えなくていいです。特殊な訓練を積んだものだけが使えるアンドロイド判別法だと思っていただければ。その判別法を実施している時に凄腕の賞金稼ぎはやられてしまったみたいなんですよね。
書生
アンドロイドもなかなか賢いですね。
読書エフスキー3世
そしてですね、さらに厄介な事に、この世界には特殊者スペシャルという存在もあるのです。
書生
スペシャル…。話がややっこしくなってやがったぞぃ。
読書エフスキー3世
毎月の身体検査で適格者レギュラー特殊者スペシャルに診断されまして、適格者レギュラーだけが火星移住を許されているのです。
書生
そんなの差別じゃないか!
読書エフスキー3世
ね。まるで人間を製造品の品質管理か何かにかけているようでしょう。この小説の世界観はこういう感じなのです。人間が人間っぽくない。
書生
ぐぬぬ。それで、そのスペシャルが何なのです?
読書エフスキー3世
どうやらフォークトカンプフ感情移入度検査法で、アンドロイドとスペシャルが同じ反応をするんじゃないか?という声が上がってきてしまったのです。
書生
ん?ん?それは何か問題が?
読書エフスキー3世
例えばですよ、賞金稼ぎはアンドロイドを破棄する事でお金をもらっています。破棄というのはアンドロイドだから使える言葉ですが、もしそれが間違ってスペシャルに行ってしまえば、殺人という言葉に変わるわけです。
書生
あー!なるほど!…いや、待てよ。それもまたアンドロイドを差別している事になるのでは?アンドロイドにだって人権はあるでしょう?
読書エフスキー3世
アンドロイドに人権はありますか?
書生
あるでしょう!
読書エフスキー3世
それはなぜですか?アンドロイドは人が作った“物”じゃないですか。物は人じゃないから人権はないでしょう。
書生
いや!いやいや!でも、物だって言っても見た目も人間だし、考えることだって出来るし…。
読書エフスキー3世
じゃあ、一体、人間とアンドロイドの違いはなんなんですか?
書生
えーっと。…なんなんでしょうね。
読書エフスキー3世
と、まぁ、こういう事を色々と考えさせられる作品なんですよね。この小説の中では、主人公は何度もアンドロイドの事を“人”と言った後に“それ”と言い直しています。心では人だと思っているのに、頭で物だと考え直そうとしている。
書生
うーむ…。わからなくなってきた。人間って一体なんなんだ。
読書エフスキー3世
ま、その考えを深めたかったらこの小説を読み進めると良いかも知れませんね。とりあえず話を先に進めましょう。リックはまずフォークトカンプフ感情移入度検査法がまだちゃんと使えるのかを調べるためにアンドロイドを製造している会社へ向かいます。
書生
アンドロイドを製造している会社。やっぱりそういう会社があるんですね。
読書エフスキー3世
ええ。ローゼン協会という大企業に赴くと、レイチェル・ローゼンという企業の令嬢兼、秘書が出迎えてくれました。
書生
レイチェル。これがヒロインかな?
読書エフスキー3世
企業の方からするとですね、より精密なアンドロイドを造りたいとは思っていますが、もしフォークトカンプフ感情移入度検査法がポンコツな検査法だとしたら、危険性の面からすべてのアンドロイドを破棄しないといけないわけで、警察マジで何やってんだ、ちゃんとしろ!状態なわけですよ。
書生
あー、なるほど。会社は利益のために、より良い商品を作ろうとしているのに、警察の技量が足りないために、それが危ぶまれているとしたら、リックはレイチェルにとって目の敵の存在なわけですね。
読書エフスキー3世
そういうわけで、かなりキツめな態度なレイチェルとの初対面でしたが、そこへ社長登場。社長のエルドン・ローゼンはこんな事を言い出すわけです。「まずはレイチェルを検査してくれ」と。
書生
ええ!?
読書エフスキー3世
検査法が正しく機能するかどうかを試すために、人間を含めた複数のアンドロイドを検査して、判別がつくかを試すわけです。
書生
あー、なるほど。そして結果はどうだったんです?
読書エフスキー3世
リックの判断ではレイチェルはアンドロイドだと判断されました。
書生
え!?でも、レイチェルは社長令嬢なんですよね?人間なんですよね?
読書エフスキー3世
ええ。レイチェルはスペシャルだと社長に告げられます。ここでフォークトカンプフ感情移入度検査法がポンコツな検査法だと判明してしまうわけです。
書生
えーっと、そうなると賞金稼ぎは働けなくなるのでは?アンドロイドかどうかを判断出来るからこその仕事でしょう?
読書エフスキー3世
リックは相当のショックを受けて、その場を立ち去ろうとします。しかし、最後にもう一度レイチェルを検査しようとすると、人間にしか見えない反応が出なかったんです。
書生
ん?ん?どういう事?
読書エフスキー3世
レイチェルは実は自分でもスペシャルだと思いこむように記憶が刷り込まれているアンドロイドだったのです。レイチェル自体も自分をアンドロイドだと知らなかったのです。それを知ったレイチェルは相当ショックを受けていたようですが、とどのつまりフォークトカンプフ感情移入度検査法はまだ使える判別法なのです。
書生
ローゼン協会は、すげー事する企業だな。マッドサイエンティストっぽいな。でも、自社の製品を守ろうとするならそのぐらいはするのかな。
読書エフスキー3世
リックは価千金な結果を持って警察へ帰還します。そして改めて、地球に脱獄してきた複数体のアンドロイドの処理をする仕事を引き受けるわけです。
書生
ふむふむ。それでそれで。
読書エフスキー3世
…と、まぁあらすじはこのぐらいにしておきましょう。
書生
え…。ここから面白くなりそうなのに。
読書エフスキー3世
実はですね、リックが小説の主人公と言いましたが、実はこの小説は2人の視点から書かれている作品です。
書生
ん!?そうなの!?
読書エフスキー3世
ジョン・イジドアというヴァン・ネス動物病院(模造動物)の運転手がもうひとりの主人公で、彼はスペシャルなんですね。
書生
へー。スペシャル。あれ?スペシャルってどういう存在でしたっけ?
読書エフスキー3世
まぁ、人間の感情が欠損した人間って感じでしょうか。それこそ、考え方がアンドロイドっぽいっていう。
書生
ふむ。なんかこの作品はあべこべですね。人間がアンドロイドでアンドロイドが人間で。
読書エフスキー3世
ジョン・イジドアに関しては映画『ブレードランナー』では削除されてしまったキャラクターなのですが、小説の中ではひときわ人間とは一体何が人間たる事を決めているのかを読者に考えさせる存在として際立っています。
書生
ふむ。それに対してリックは人間っぽくはあるんですね。ある種、自分の欲望を叶えるために汚れ仕事さえ正当化するって人間っぽい考えですもんね。
読書エフスキー3世
最初のうちはそうだったんですけどね。リックはその仕事をこなしていくうちに自分の仕事に嫌悪感を感じていくわけですよ。
書生
あ、そうなんですか。まぁ、それも人間っぽいか。
読書エフスキー3世
この小説は誰がアンドロイドで誰が人間かを推理しながら読んでいっても楽しいかもしれませんね。それが本筋ではないですが、出てくる登場人物を読者はどうやって人間と判断するか、人間とアンドロイドとをわけているものは何なのかを自分で考えるようになりますから。
書生
なかなか難しそうなSFですが、同時に読んでみたい作品の気がしてきました。
読書エフスキー3世
ええ。マーサー教だの、キップルだの、バスター・フレンドリーだの、ちょっと設定が特殊で、この世界では当たり前のように存在している事を読者の信じる現実とくっきりと分別して説明してくれないので、「こういう世界観なのね!」と理解するまでは大変かもしれませんが…。
書生
マーサー教…。宗教も出てくるのか。未来の宗教ってどんなのだろう。
読書エフスキー3世
ある程度理解してしまえば非常に哲学的でためになる小説だと思いました。VRっぽい表現も出てきますし、これが1968年に書かれたなんて信じられません。
書生
あ、考えてみれば先生もロボットっていう設定なんですよね。
読書エフスキー3世
設定って君。
書生
先生は身体はロボットなのに、中身は人間だから、一体どっちになるんでしょう。
読書エフスキー3世
君、ミッキーに中の人がいるとか言っちゃうタイプ?
書生
ミッキーに中の人なんていません!

批評を終えて

読書エフスキー
以上!白痴モードニ移行シマス!コード「ラスコーリニコフ・ボログローヴ・ムイシュキン!」
無料読書案内の書生
「ミッキーに中の人なんていません!」…って、あれ?僕は一体何を…。
職場の同僚
何をじゃないよ!仕事中に居眠りこいて!なにが「ミッキーに中の人なんていません!」だよ。そんなの当然だろうが!夢が詰まってるんだよ!
無料読書案内の書生
え?あれれ?読書エフスキー先生は?
上司
誰だそれ。おいおい。寝ぼけ過ぎだぞ。罰として一人でここの案内やってもらうからな!
無料読書案内の書生
えーっ!?一人で!?で、出来ないですよ〜!!
上司
寝てしまったお前の罪を呪いなさい。それじゃよろしく!おつかれ〜
無料読書案内の書生
ちょっ、ちょっと待って〜!!…あぁ。行ってしまった。どうしよう。どうかお客さんが来ませんように…。
お客さん
…あのすいません、アンドロイドは電気羊の夢を見るか?について聞きたいんですが。
無料読書案内の書生
(さ、早速お客さんだーっ!!ん?でも待てよ…)いらっしゃいませー!フィリップ・K・ディックの1968年の作品でございますね。おまかせくださいませ!
 あとがき


いつもより少しだけ自信を持って『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』の読書案内をしている書生。彼のポケットには「読書エフスキーより」と書かれたカセットテープが入っていたのでした。果たして文豪型レビューロボ読書エフスキー3世は本当にいたのか。そもそも未来のロボが、なぜカセットテープというレトロなものを…。
読書エフスキー
ウィンク。パチンパチン。

名言や気に入った表現の引用

書生
「一杯の茶を飲めれば、世界なんか破滅したって、それでいいのさ。by フョードル・ドストエフスキー」という事で、僕の心を震えさせた『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』の言葉たちです。善悪は別として。あ、いつもは引用のページ数を記載しますが、電子書籍で読んだので今回は割愛させていただきます。

あまねく存在する灰によって、適格者の中からもたえず特殊者が作りだされていくありさまだ。最近のポスターや、テレビCMや、政府からのダイレクト・メールには、きまってこういう文句がはいっている──『移住か退化か!選択はきみの手にある!』まさにそのとおり、とリックは考えながら、小牧場の柵をあけ、電気羊に近づいた。

動物を二頭も持つのは、一頭も持たないより不道徳だ

羊ってやつは、ふしぎな病気にかかる。いや、いいかえると、羊はいろいろの病気にかかるが、症状はどれもおんなじなんだよ。羊が立てなくなっても、それがどの程度の重症なのか、果たして足の捻挫なのか、それとも破傷風で死にかかっているのか、そいつがよくわからない。

みんながみんなとはいわんがね。動物を飼わない人間がどう思われるかは知っているだろう?不道徳で同情心がないと思われるんだよ。

死は確かなもの、生は不確かなもの。

静寂。それは部屋の四方からひらめき、まるで巨大な発電所から送りこまれたように、おそるべき力でイジドアを打ちすえた。それは床からわきあがり、部屋に敷きこまれた灰色のすりきれたカーペットからたぎりたった。それはキッチンの全壊半壊の調理器具、イジドアがここへ住みついてこのかた一度も作動したことのない死んだ機械類から、鎖を離れたように飛びだした。それは居間の使用不能の柱上灯からにじみだして、しみだらけの天井から降下するそれと無音でからみあった。

関心はただひとつ。つまり、この精神の融合で、自分たちの全神経を、山と登坂と前進の意欲に集中させることである。じわじわと、ほとんど感知できないほどゆるやかな進化。だが、まちがいなくそれはある。

ある程度の知能が、クモ類を含めたあらゆる門と目の生物種に見いだされるのに対して、感情移入はどうやら人間社会だけに存在するものらしい。ひとつには、感情移入能力が完全な集団本能を必要とするからだろうか。たとえば、クモのような独居性生物はそんなものに用がない。それどころか、あればかえって生存能力の障害になる。クモが餌食の身になって考え、相手の生きたい気持を思いやったりしたらたいへんだ。これはクモだけでなく、あらゆる捕食者にいえることで、猫のように高度な発達をとげた哺乳類でも餓死せざるをえなくなるだろう。

究極的には、感情移入という天与の能力が、狩人と獲物、成功者と敗北者の境界を薄れさせてしまう

イジドアがそのアパートのドアをノックしたとたん、テレビの音がばったりとだえた。ただ静かになっただけではない。彼のノックにおびえて存在をやめ、墓の下にもぐってしまった。

「どうかな。よく考えて、また返事する」
 いつか遠い将来にな、とリックは心の中でいった。いや、おそらく永久にしないだろう。もうたくさんだ。一歩進むごとに、灰の中からレイチェル・ローゼンが顔を出しやがる。

「――あらゆる生命はひとつなんだよ。『人間はだれも孤島ではない』って、むかしシェイクスピアもいった」「ジョン・ダンよ」

これまでのおれはこう思ってた――きみの抑鬱は好きでそうしているんであって、そこから脱出したければ、いつでもそうできるだ、と。たとえ、独力ではむりでも、情調オルガンを使えばそうできる、と。だが、抑鬱にはまりこんだ本人には、そんなことはどうでもよくなるんだってことが、やっとわかったよ。自分の存在価値を見失ったことからくる感情鈍麻だ。一時的に気分がよくなっても、それは変わらない。

どこへ行こうと、人間はまちがったことをするめぐり合わせになる。それが――おのれの本質にもとる行為をいやいやさせられるのが、人生の基本条件じゃ。生き物であるかぎり、いつかはそうせねばならん。それは究極の影であり、創造の敗北でもある。

アンドロイドは子供を生めないわ。それは損失なのかしら?

もし、どこかの部屋であなたの生皮を貼ったソファーにでくわしたら、きっとわたしはフォークト=カンプフ検査の最強反応を示すわよ

彼はもとのプリスのアパートにはいり、テレビのプラグを抜いてアンテナをはずした。とつぜん、まわりの静寂が心に沁みとおってきた。腕の力が抜けていく。ペイティー夫妻やプリスと離れたいま、維持ドアは自分がプラグを抜かれて映らなくなったそのテレビそっくりに、影の薄い存在になったのを感じた。

またか、と彼は思った。また、あれが僕の身に起こっている。またずっとここにいなけりゃならないんだ。この前とおなじように。長い長いあいだ。なぜなら、ここではなにも変化しないからだ。あるところまでいきつくと、もう老朽も進まないんだ。

イジドアの鼻は、おびえた肉体の強い周期を感じた。そこから発散する恐怖、にじみ出て霧になった恐怖を吸いこんだ。

なにもかも真実さ。これまでにあらゆる人間の考えたなにもかもが真実なんだ

電気動物にも生命はある。たとえ、わずかな生命でも

マーサーは、それはまちがったことだが、とにかくやるしかない、とおれにいった。まったく、妙な話さ。ときには、正しいことよりまちがったことをするほうがいい場合もある

わたしにとってこの作品は、人間とはなにかという疑問に対する初期の結論を述べたものである。……あなたがどんな姿をしていようと、あなたがどこの星で生まれようと、そんなことは関係ない。問題はあなたがどれほど親切であるかだ。この親切という特質が、わたしにとっては、われわれを岩や木切れや金属から区別しているものであり、それはわれわれがどんな姿になろうとも、どこへ行こうとも、どんなものになろうとも、永久に変わらない

ディックはこの点において、昨今のサイバーパンクSFの射程をすでに超出していた。サイバーパンクSFの一部では、機械と人間の融合ないし境界侵犯が一種の強迫観念的なモチーフとして現れる。だが、ディックの世界では、そもそも人間と機械、自然と人工といった単純な二分律は棄却されている。彼が問題としていたのは、人間と機械の、その双方における、「人間」性および「アンドロイド」性の対立の構図である。従って、長編『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』においても、そこに「人間」として登場する者も、「アンドロイド」として登場するものも、全て、「人間」であり、かつ「アンドロイド」でもありうる。「電気動物にも生命はある。たとえ、わずかな生命でも」。したがって、この長編中、人間もアンドロイドも、ともに、親切な場合もあれば、冷酷な場合もある。ディックが描こうとしたのは、すべての存在における人間性とアンドロイド性との相剋であって、それ以外のなにものでもない。

読書エフスキー
引用:『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』フィリップ・K・ディック著, 浅倉久志翻訳(早川書房)

アンドロイドは電気羊の夢を見るか?を読みながら浮かんだ作品

アンドリューNDR114
4.6

公開日:1999年12月17日
ジャンル:コメディ映画, ヒューマンドラマ映画, SF映画
監督:クリス・コロンバス
出演:ロビン・ウィリアムズ

読書エフスキー
おや?映画『アンドリューNDR114』ですか。
書生
SF小説界では有名なアイザック・アシモフの作品を原作とした映画です。アンドロイドを主人公に扱った作品で、アンドロイドが人間になろうとするストーリーなのですが、僕が好きなロビン・ウィリアムズが演じていて、最後は泣きました。人間ってなんなんでしょうね。ちなみに、これまたレイチェルも出てきます。レイチェルってSF世界ではおなじみの名前なんですかね。
Detroit: Become Human
4.5

発売日:2018年05月25日
ジャンル:オープンシナリオ・アドベンチャー
対応機種:PS4, Windows
開発元:クアンティック・ドリーム

読書エフスキー
おや?今回は2つですか。しかもゲームじゃないですか。
書生
この『Detroit: Become Human』はすべてのエンディングを見ることは難しいと言われているほど、プレイヤーの選択によって話が多岐に渡っていくアドベンチャーゲームで、このテーマもアンドロイドなんですよね。アンドロイド視点で書かれているので、徐々に人間ってなんなんだろう、なんてひどい生き物なんだろう…なんて考え始めました。超面白いのでやった事がなければぜひ。

レビューまとめ


ども。読書エフスキー3世の中の人、低気圧の影響で眠気がすごい野口明人です。

『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』ってタイトル、ちょっと聞くと最近のラノベみたいですよね。しかも下手すると小説じゃなくてなんかの論文かと勘違いしそうなタイトル

それでも読み終えてみると、あら不思議。このタイトル以外にこの小説を表すタイトルはない気がしてくるのです。

もっとキャッチーなタイトルの方が手に取りやすい気もしないでもないんですが、このタイトルが一番しっくり来るのです。

アンドロイドって日本語だとおそらく“人造人間”になると思うんですけど、人造人間という言葉は大正12年にはすでに存在しているらしいんですよ。大正ロマンをひしひしと感じますね。

でもこれがまた宗教的観点から言うと、人間を“創る”のは神であって、人間を人間が造り出す事は神への冒涜とかなんとか言い始めたりして、その典型的な形として現れたのがフランケンシュタインです。

人間が生み出したものが人間を滅ぼすっていう。この概念は意外と今も普通に流通していて、映画『ターミネーター』なんてまさにそういうストーリーで大ヒットしました。

はて、現代で考えてみると、AIだなんだと技術革新がすごい所ですが、昔は人間がやっていた事をコンピュータがやることも多くなって来ましたよね。

今はまだ箱の形やノートの形をしたコンピュータだったり、クレーンの形をした機械だからそれほど強くは感じませんが、これがもし人間そっくりの形をしたアンドロイドが行うようになったら、まぁ、言い方悪いかもしれませんが、人間の仕事をロボットに奪われたと感じるようになる人も増えると思います。

問題は形だと思うんですよ。

なんというか、“形”によって魂を感じる感覚が人間にはあると思うんですよね。例えば枕だったら簡単に捨てる事が出来ますが、人形だったら捨てるのに抵抗があるみたいな。

そしてこれまた現代じゃ、人間の形そっくりにモノを作ることも不可能じゃなくなってきたわけで、それがまた人間のように考える事が出来るようになったのなら、それはもはや魂の宿った何かであって、それに対して人間はどう対応したら良いのか考えなければならなくなる。

人間にそっくりな何か。故障したからと言って、スマホのように新しい機種に乗り換えようと簡単には考えられない何か。

その何かが自分と同じことが出来て、それ以上の事が出来て、自分よりも丈夫で、自分よりも長生きが出来るものだとしたら。自分のアイデンティティーとは何なのだろうと考え始めます。

中には答えが出せなくて、こいつがいるから悪いんだとそれを破壊し始める人もいるかもしれません。中には自分って何なんだろう?なんてそれは考えないから、考えている事自体が自分のアイデンティティーだと考える人もいるでしょう。

そしてこの小説の主人公リックは、アンドロイドは電気羊の夢を見るのだろうか?と考えるわけです。

リックが自分の仕事を進めていくうちに、自分こそがアンドロイドっぽくて、彼らの方が人間らしいのではないか?と苦悩していくうちにたどり着くのが『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』なのです。

え?

何言ってんのこいつ?って感じっすか。

まぁ、そう思ったあなたはぜひぜひこの小説を読んでみてくださいませ。そう思ったあなたこそ、この小説を読むに適しております。

ちなみに全然話が違いがますが、うちの母はやたらと食べ物の○○産ってのを気にするんですよね。これは外国産だよとか、これは国産だよとか。でも僕は地球産で良いじゃんって感じなのです。どこ産でも美味しいし。

そんな僕からすると、もしも本当にアンドロイドが人間に果てしなく近い存在になったとしたら、もうそれは人間で良いじゃんって感じなのです。ってか人間と機械を分類する時代がなくなるんじゃないかとも思うのです。

ものすごく技術が躍進して、ものすごく人間の構造に似ている義手が出来たとして、それを手にはめている人はロボットですか?って感じなのです。割合の問題だと反論する人もいるかもしれませんが、9割が人工だとしてもそれは人間でしょう?

そもそもすべての物質に魂が存在すると信じている精霊信仰の僕としては、全部生きてるでしょ!って感じなのです。

「あー、出た出た。全部大事だって言っちゃうパターンね。良いこと言ってそうで、実は最初の質問になんも答えてないやつ」

そう指摘されそうなので、あえて人間が人間たる存在である定義とは何かを答えて起きます。

道を歩いていて、車に轢かれたのかぺちゃんこになっている缶コーヒーの空き缶を見たり、ビニール袋が風に吹かれて空を舞っている姿を見た時に、あぁなんか可愛そうだな。と考えるときが、僕は一番、自分って人間だなぁ〜と考えます。

ではでは、終始、何言ってんだこいつのレビューでしたが、『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』でした。

興味が湧きましたら、読んでみてくださいませ。

ここまでページを閉じずに読んで頂いて本当にありがとうございます

最後にこの本の点数は…


アンドロイドは電気羊の夢を見るか? - 感想・書評

アンドロイドは電気羊の夢を見るか?
4.2

著者:フィリップ・K・ディック
翻訳:浅倉久志
出版:早川書房
ページ数:319

アンドロイドは電気羊の夢を見るか? ¥ 644
  • 読みやすさ - 81%
    81%
  • 為になる - 88%
    88%
  • 何度も読みたい - 90%
    90%
  • 面白さ - 93%
    93%
  • 心揺さぶる - 89%
    89%
88%

読書感想文

最初は少し読みにくさを感じるかも知れませんが、そこを乗り越えてしまえば非常に読みやすく、ストーリー展開もテンポが良いので気がつけば最後まで楽しく読めます。人間と機械の対比に見えて、実はそうではない所が非常に面白い所。人間とは一体何なのか。人間以外を見つめてそれを考えてみるのも良いのかも。

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