- 著者:ケン・グリムウッド
- 翻訳者:杉山高之
- 出版社:新潮社
- 作品刊行日:1987/01
- 出版年月日:1990/07/27
- ページ数:474
- ISBN-10:4102325018
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リプレイという本をその昔2冊買いました。STEINS;GATEというPCゲームにハマり、ループものおもしれー!となっていた時に、ループものの小説ではリプレイが面白いと噂を聞いていたのです。そこで古本屋でリプレイを発見し買ってきたのですが、家に帰るともうすでにリプレイは本棚に並んでいたのでした。
あー、昔にネットで注文したのを忘れて同じものを二つ買ってしまったか。自分が買った本を覚えていないぐらい文庫本収集をしている者の常として、本を読むペースよりも本を買うペースの方が早くなってしまい、その2冊のリプレイはずっと読まずに本棚の中で眠る事になります。
そして最近、ずっと恩田陸の作品を読んでいた事だし、気分転換に別の作家を読んでみようと本棚を見直したのですが、どこにもリプレイがないのです。二冊あったはずのリプレイ。一体どこへ。ないとなると途端に読みたくなってしまった僕は探すことを早々に諦め、三冊目のリプレイを購入しました。
最初の購入から6年。やっとこさリプレイを読破したのですが、なんで先にこの本を読まなかったのかと後悔しました…。
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小説『リプレイ』 – ケン・グリムウッド・あらすじ
読書エフスキー3世 -リプレイ篇-

あらすじ
書生は困っていた。「自分の人生は自分で変える!」と仕事中に寝言を言ったせいで、独り、無料読書案内所の管理を任されてしまったのだ。すべての本を読むには彼の人生はあまりに短すぎた。『リプレイ』のおすすめや解説をお願いされ、あたふたする書生。そんな彼の元に22世紀からやってきたという文豪型レビューロボ・読書エフスキー3世が現れたのだが…
リプレイ -内容紹介-



ジェフ・ウィンストンが死んだのは、妻と電話をしている時だった。
引用:『リプレイ』ケン・グリムウッド著, 杉山高之翻訳(新潮社)







リプレイ -解説-


































































批評を終えて











いつもより少しだけ自信を持って『リプレイ』の読書案内をしている書生。彼のポケットには「読書エフスキーより」と書かれたカセットテープが入っていたのでした。果たして文豪型レビューロボ読書エフスキー3世は本当にいたのか。そもそも未来のロボが、なぜカセットテープというレトロなものを…。


名言や気に入った表現の引用


「私たちに必要なのはね」彼女は彼の方向を見たが、必ずしも目を合わせずにいった。
「新しいシャワーカーテンなのよ」
彼はぱっと上半身を起こした。耳の中に脈拍の音が聞こえた。
未来――恐ろしい伝染病、成功しそれから覆される性の意識革命、宇宙での勝利と悲劇、革と鎖とを身にまとい、毬のようなピンクの頭髪に、虚ろな目をしたパンクどもがうろつく街路、汚染され窒息しかかった地球の軌道を回る殺人光線兵器……なんと、このように見ると、自分の世界はまるでサイエンス・フィクションの最もおどろおどろしい悪夢のように思われるではないか。ジェフはそう思って身震いした。いろいろな点で、彼が慣れっこになってしまった現実は、一九六三年初期の明るい純真な現実よりも、むしろ、『ブレード・ランナー』のような映画と共通点が多かった。
自分の“未来過去”のことを考えない瞬間さえもあった。彼は生きていた。それが重大だった。非常に生き生きしていることが。
ジョンソン大統領が間もなく、この血なまぐさい週末の事件を徹底的に捜査するように命じることを、ジェフは知っていた。アール・ウォレン裁判長のもとに特別委員会が設置され、解答が熱心に探し求められるだろう。何も見つからないだろう。人生は続いていくだろう。
シャーラはファンタジーの中のファンタジーであり、回復した青春にふさわしい、欲望をくすぐる呼び物だった。だが、それは基本的に空虚な出し物であって、あの学生寮の部屋の壁に貼ってあった闘牛のポスターのように、実質と複雑さを欠いた子供だましだった。
彼は人生の大部分をやりなおす機会を与えられた。しかし、この一日をもう一度やりなおすことができたら、そのすべてを犠牲にしてもいいと思った。
貴重な無知だ、と彼は思った。発狂した宇宙が加えることがある傷について、知らないとは何とありがたい恵みだろうか。
もはや、壊すべき橋はない。娘の死という苦悩、決して存在しえないものを知っているという苦悩にもかかわらず、前進し、建設することを学ばなければならない、と彼は思った。
「ばかやろう!」彼は無感覚な空に向かって怒鳴った。あの終末病院のベッドからでは表現できなかった、力と絶望のすべてをこめて怒鳴った。「ばかやろう! なぜ……こんな……ことを……俺に……するんだ!」
サイクル、輪……その宇宙の連鎖の中に彼の場所はなかった。ジェフという、時間から外れた特異な存在に適合するパターンはなかった。
しばらくの間は性的接触なしに、完全に快適に生活することができそうに思われた。そして、自分のその部分を殺すことがいかに容易かを知って驚いたものだった。ところが、間もなく、単純な人間的接触への欲求がいかに強いか分かって不愉快な驚きを感じた。人間的接触の無いことが毎日の苦痛になり、寝ても覚めても気になった。
自分の生に何らかの意味を与えたいだけよ。これにどんな意味があるか考えようともせずに、諦めるつもりなの? ではどうぞ、そうしなさいよ! 馬鹿げた農場に帰って、無為に暮らすといいわ。でも、このすべてを私がどう扱うべきか、指示するのは止めて。いいわね?
「いや、出掛けよう。夕食は僕がおごる」「では……また着替えをしなくてはならないわ」「ジーンズでけっこう。恰好をつけたければ、靴をはくだけでいいさ」
私たち二人とも受け入れるべきものがたくさんあり、失わねばならないものもたくさんあるのね
あなたの家族を愛して上げなさい、と心に思った。この世には苦痛が満ちているから。
待てば、その苦しみを上回る良い事があるわ
我々はいつも受け入れてきた。いちばん最初からだ。マンソン、バーコウィッツ、ゲイシー、ブオノとビアンキ……こういう種類の無目的な蛮行は、この時代の一部なのさ。我々はそれに慣れてきた。僕は次の二十年間に次々現れる連続殺人犯人の名前を、半分も覚えていない。君だってそうだろう?
我々は――単に君と僕だけでなく、この社会の誰もが――蛮行とともに、でたらめな死とともに、生きている。自分の身に直接、脅威が降りかからなければ、ほとんどそれを無視している。さらに悪いことに、ある人々はそれを面白いとさえ感じ、代償的なスリルと感じる。少なくとも、ニュースビジネスの八十パーセントはそのためにあるようなものだ。毎日一定量の悲劇を、他人の血と苦悶を、アメリカに供給するのが仕事なのさ。
今度はもっと良い世界に、もっと安全な場所にするつもりだったのに――ところが、私たちが実際に心配するのは自分たちのことばかり。私たち自身の大切な小さい生命がどのくらい伸びるかを、知ることばかりよ。しかも、それさえもすることができない
戦争を起こしなさいよ、このくそ惑星全体を吹っ飛ばしなさいよ!
何十年ものあいだ記憶の中に住み、そして今、愛らしい輝きのすべてを備えて再生され、目の前に立っているこの貴重な幻を、一瞬も見失いたくなかったので、瞬きをすることさえできなかった。あまりにも長かった。本当に長い間だった……
人間は等しく、自分が生きてきた過去の年月から、そして、過去の自分自身、過去の知己、永久に失われてしまった人々から、追放されることは避けられないのだ。
私、無限の可能性に、“時間”というものに……あまりにも慣れてしまった。決して自分たちの過ちに拘束されず、後戻りして物事を変えることができる、もっと良くすることができると、常に知っていた。でもだめだったわね? 物事を変えただけね
彼女の人生にとっては、新しく圧倒的であり、前例のない重大事であるかもしれないが、実際はごく平凡な若者の悩みと憧れにすぎなかった。本人は、自分の話がごくありふれたものだと認識するだけの、広い視野に欠けていた。もっとも、そういう認識の閃きみたいなものは確かにあったかもしれない。なぜなら、自分の生活が月並みになっているから、何とかして抜け出したいのだと、少なくともいっていたから。
彼女に与えることのできる最高の贈り物は、嘘である。
唯一の確実な失敗――それも、最も悲しむべきもの――は、全然危険を冒さないことだと知った。
一瞬も無駄にしないことにしよう。当然のこととして受け取るのを止めよう。
自分に残されている四半世紀ぐらいの年月は、自分の人生であり、自分の思う通りに生き抜くべきものであり、また、自分自身にとって最も為になるように生きるべきものだ。それ以外を優先させてはならない――仕事も、友情も、女性との関係も。それらはすべて人生の構成要素であって、価値あるものではあるが、人生を限定したり、コントロールしたりすべきものではない。自分の人生は自分の責任であり、自分だけのものだ。

リプレイを読みながら浮かんだ作品


レビューまとめ

ども。読書エフスキー3世の中の人、野口明人です。
この小説について調べている時にですね「KinKi Kidsの堂本剛、パクり」ってのが随所で見受けられたんですよ。一体何のことか?って思ったら彼が出演した「君といた未来のために 〜I’ll be back〜」ってTVドラマが完全にこの小説の流れなんですね。
どうやら事後承諾をもらったみたいで、パクリ問題は落ち着いたらしいですが。
んで、僕の記憶を探ってみるとですね、このドラマ観ているんですよね。若い頃に。確かに面白かった記憶があります。あの頃の土曜21時の日テレドラマは全部観ていたんです。
なぜなら、知念里奈の大ファンでして22時のTHE夜もヒッパレを観るために。ファンはドラマ終了後の「この後は…THE夜もヒッパレ!」まで録画するもんなんです!
もしかしたらあの頃から僕はループものが好きだったのかもしれない。どっちもループものですから(笑)
あぁ。懐かしいなぁ。夜もヒッパレ。SPEEDのグループ名もあの番組内で決めましたし、上戸彩が入っていたZ-1もちょこちょこ出てたんですよね。伝説の番組だったわぁ。僕の姉は「毎週、芸能人のカラオケ観てなにが楽しいの?」なんて言ってきて、僕はその都度キレてましたが。
思春期真っ盛りだったなぁ。もし戻れるとしてもやっぱりあの番組は観ちゃうだろうな。
…と、話が脱線してしまいましたが、リプレイを読むとやっぱり自分の人生を振り返っちゃいますね。もしもう一度人生をやり直せるとしたら…。誰もが一度は考えるでしょう?
そしてこの小説を読んで、やっぱり自分の人生は間違っていないんだなぁと気付かされました。うん。今の自分でいい。やり直せたとしても、失敗は沢山ありましたが僕は同じ人生を繰り返したいです。
今、僕と関わってくれている人って過去の失敗がなければ出会ってすらない人達ばかりなので。それがなくなっちゃうのは嫌だな。自分の人生のめぐり合わせに感謝せねば。
ではでは、そんな感じで、『リプレイ』でした。
ここまでページを閉じずに読んで頂いて本当にありがとうございます!
最後にこの本の点数は…
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リプレイ - 感想・書評
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リプレイ¥ 853
- 読みやすさ - 73%73%
- 為になる - 82%82%
- 何度も読みたい - 71%71%
- 面白さ - 84%84%
- 心揺さぶる - 81%81%
読書感想文
今となっては定番すぎるループもの作品ですが、王道のテーマでありながらストーリー展開が素晴らしく飽きずに読めると思います。ただまぁ、随所に歴史的史実やその当時のニュースや娯楽が出てくるので、事前知識は必要になってくるかもしれません。自分の人生について振り返り、大切なものは何かを教えてくれる哲学的作品。ラストも他のループものに比べて劇的なものではないですが個人的には好きです。